香港はかつて鉱業が盛んで、大規模な石材生産が行われていたことで有名です。鯉魚門採石場（Lei Yue Mun Quarry）はそのような有名な採掘場のひとつでした。しかし、1980年代に産業が衰退すると、採石場の敷地内には古い石造りの家が数軒あるだけとなり、荒れ果てていきました。この採石場は現在、写真愛好家にも人気の場所となっています。秋から冬にかけては、生い茂る葦が黄金色の海へと変わり、魅惑的な光景が広がります。夕暮れ時には、葦、廃墟となった石造りの家々、そびえ立つ山が、インスタ映えする素晴らしい景観を創り出します。

馬灣村（Ma Wan Village）にある天后宮（Tin Hau Temple）は、清朝時代の1753年に、海の女神である天后を祀るために建てられたと言われています。漁師を嵐から守る力があると信じられているこの第3級の歴史的建造物は、1950年代から1980年代にかけて2度の改修を経て、時の試練に耐えてきました。幸運を祈る願文が刻まれた巨大な岩の奥にあるこの寺院は、街の他の天后宮とは一線を画し、香港内外からの様々な信心深い参拝者を魅了し続けています。

カメラの準備をして、馬灣村（Ma Wan Village）へ出かけましょう。この村は、熱心なボランティアの人々の手によるカラフルな壁画で、新たな命が吹き込まれています。人目を引くハーバーサイドのアート作品には、アーチ道や地元のショップ、シーフード・マーケットといった象徴的なランドマークをモチーフに、この地区のエッセンスが凝縮されています。また、壁画には昔の鯉魚門（Lei Yue Mun）の様子が描かれており、鉱山での採掘風景や、灯台が水路を行く船を忠実に導く姿が描き出されています。

鯉魚門（Lei Yue Mun）の端の小さな岩島の上に立つ鯉魚門灯台（Lei Yue Mun Lighthouse）は、鯉魚門海峡を渡る船の道しるべとして、半世紀以上にわたって地域社会に貢献してきました。また、この灯台は、かつて対外貿易輸送の拠点であった鯉魚門の成長と発展の証人でもあります。干潮の時間帯には灯台まで行くことができ、胸が震えるような、沈みゆく夕日の景色を眺めることができます。.

近年の鯉魚門（Lei Yue Mun）ウォーターフロント強化プロジェクトの一環として、新しい展望台といくつかの主要な眺望スポットがプロムナード沿いに整備されました。鯉魚門休憩花園（Lei Yue Mun Rest Garden）から伸びるモダンなデザインのスポットで、高台の展望台があり、オイスター・シェル・ビーチ（Oyster Shell Beach）にアクセスできます。この見晴らしの良い場所では、街の東海岸の景色の素晴らしさを満喫し、自然の美しさにたっぷり浸ることができます。

鯉魚門村（Lei Yue Mun Village）で最初の普通学校である、かつての海濱學校（Hoi Bun School）（2008年に閉校）を利用した賽馬會鯉魚門創意館（Jockey Club Lei Yue Mun Plus）は、教育、文化、遺産、芸術の総合センターで、鯉魚門（Lei Yue Mun）の貴重な歴史遺産を保存することを目的としています。よみがえったこの施設は、485平方メートルの広さがあり、地元の現代アート作品や住民が収集した工芸品などを展示する、活気あふれる創造の中心地です。さらに、鯉魚門の鉱業と陶磁器産業の発展を紹介するカルチュアル・ウォールもあります。美術展、文化活動、ワークショップ、講演会などのイベントをチェックしてはいかがでしょうか。

鯉魚門（Lei Yue Mun）の台風シェルター（避風塘）に隣接して立つ、赤と青で彩られた象徴的な鯉魚門のアーチこそ、有名な海鮮街への入り口です。かつて鉱山の村だった鯉魚門は、今では活気あふれる海鮮マーケットの村に変貌し、海鮮料理のレストランや屋台が軒を連ね、海鮮好きにはたまらない場所となっています。最高に新鮮なシーフードが並ぶ市場でお好みのシーフードを選び、近隣のレストランに持ち込んで、匠の技で素晴らしいごちそうにしてもらいましょう。海辺のテーブル席に座り、ビクトリア・ハーバーの美しい景色を楽しみながら、地元の本格的な海鮮料理を堪能してはいかがでしょうか。

鯉魚門（Lei Yue Mun）の郊外に足を運ぶと、鯉魚門灯台の近くにあるのが南大門（Gateway Cuisine）です。床から天井までの窓、自然をイメージした装飾、オープンキッチンを備えたこの洗練されたレストランでは、ビクトリア・ハーバーの素晴らしい眺望とともに、極上の食事体験を楽しめます。1995年の創業以来、美味しいシーフード料理の数々で人々を魅了しており、塩加減が最高のスパイシーなシャコエビ、エビの醤油焼き、ロブスターのフライなどの看板メニューを提供しています。

海徳花園酒家（Hyde Park Garden Restaurant）はミシュランがおすすめするお店で、地元の本格的な料理が味わえます。いけすに入った様々な新鮮な魚介類の中から好きなものを選べ、知識豊かなスタッフが理想的な調理法をアドバイスしてくれます。ロブスターの刺身、ロブスターのチーズ焼き、カニの生姜・ネギ炒め、アサリの黒豆鼓炒めなどのメニューが目を引きます。お肉が好きな方は、クリスピー・フライドチキンや酢豚など、シーフード以外のメニューも選べます。

1968年の創業以来、紹香園（The Walnut Shop）は3世代にわたって愛情を込めて育てた家族経営のブランドに成長し、現在では40以上の支店が市内に点在しています。お店のこだわりは、保存料不使用で健康的な手作りの軽食を提供し、時代を超えた香港の味を表現することにあります。創業の地である鯉魚門（Lei Yuen Mun）の本店を訪れ、砂糖漬けのクルミ、ナッツ、ドライフルーツ、プリザーブドフルーツ、菓子、月餅、ジャーキー、ドリンクパウダーなど、おいしいお菓子の数々を探してみましょう。

50年以上の歴史を持つこの家族経営の地元のベーカリーは、職人技が光る本格的なペストリーやスイーツを手頃な価格で楽しめることでよく知られています。焼きたてのペストリーのたまらない香りが迎えてくれる店内には、パティシエがひとつひとつ丁寧に手作りした20種類以上のペストリーが並んでいます。冬瓜の餡とゴマがたっぷり入った広東の伝統的な薄層状のペストリー、老婆餅は外せない一品です。サクサクの春巻き、アーモンドクッキー、クルミクッキーもお見逃しなく。

龍騰海鮮酒楼（Lung Tang Restaurant）は、海の極上の味わいをたたえる伝統的なシーフードレストランです。名物の潮州凍花蟹（潮州スタイルの冷製の花蟹）、心も体も温まる海鮮仕立てのスープ、マテガイのガーリック蒸しと春雨、カキフライやエビ団子、シャコのスパイス塩炒めなど、素晴らしいシーフード料理の数々をご堪能ください。