東莞市(Dongguan)は、各国の企業が集まる「世界の工場」として、その重要性が知られています。しかし近年は、ロマンチックな海の景色や、この地域の激動の歴史を伝える美しい史跡が、人気のスポットとして観光客を集めています。
AAAAの国家観光地の評価では、南沙と塘尾村の古代建築は、最初に南宋時代(1127年から1279年)、8世紀以上前に建てられました。しかし、これらの建築物の中には、明代(1368-1644)や清代(1644-1912)の嶺南建築の特徴が見られるものもあります。国の保護を受けた94の歴史的建造物、32の先祖代々の神社、600以上の古民家などを巡り、保存状態の良い建造物から装飾的な遺物まで、中国の豊かな歴史と伝統文化を垣間見ることができます。また、塘尾古代村はこの地域の丘陵地に建てられており、城壁、見張り台、門などのシステムで守られています。正面玄関と村の外の広大な農地の間には、巨大なカニの形をした一連の池と井戸があり、風水では敷地全体の保護の象徴とされています。
東莞(Dongguan)近郊にある虎門(Humen)は、独特の歴史と文化を持つ街です。珠江(Pearl River)河口の東岸に沿って建てられた軍事施設が、要塞、城壁、門番所、兵舎、通路、地下水路、井戸など、全て良好な状態で維持され、まとまった形で保存されている海防遺跡としては、中国で最も完全かつ最大のものです。アヘン戦争や第二次アヘン戦争、清仏戦争、黄海海戦(日清戦争)の貴重な歴史を、今に伝えています。
東莞にある鍵安博物館は、広東省の清朝の4つの有名な庭園のうちの1つに位置しています。コンパクトで精巧な陵南様式のデザインで知られる3.3ムー(約2,200平方メートル)の鍵安邸は、伝統的なホール、中庭、東屋、牧歌的な庭園、美しい景観などから構成されています。現在では、中国文化の巨匠や影響力のある芸術家たちがこの庭園を生活の場として選んでおり、その中には嶺南画法の先駆者である画家の朱晁や朱蓮などが含まれています。