なだらかな丘に面した6.67平方キロメートルの美しい貯水池の隣、東壩（East Dam/イーストダム）の脇にある青い錨の形をしたモニュメントがトレイルのスタート地点となっています。太平洋に面した東壩とその防波堤に沿って周回するこのルートでは、貯水池、ダム、防波堤のドロス（二重のT字型をしたコンクリート製の防波堤）、そして海に向かっては、海食によって花山（Fa Shan/ファーシャン）岬から切り離された三角海食柱、破邊洲（Po Pin Chau/ポーピンチャウ）の側面に沿って露出した岩柱など、インスタグラムに載せたくなるような印象的な景色が広がっています。

この1kmの延長線上にあるトレイルは、標尖角（Biu Tsim Kok/ビウチムコック）ビューイング・ポイントまでの上り坂につながっていて、貯水池、破邊洲（Po Pin Chau/ポーピンチャウ）海蝕柱（sea stack）、甕缸群（Ung Kong Group）、果洲羊島（Ninepin Group）、そして、牧歌的で緩やかなカーブを描く湾、透き通った海、白い砂の手つかずのビーチで知られる壮大な浪茄湾（Long Ke Wan/ロンケ湾）など、360度の景色を楽しむことができます。

ジオパークの西貢火山岩地域（Geopark’s Sai Kung Volcanic Rock Region）で見られる見事な淡い色の岩柱は、1億4千万年前の大噴火によって高密度の火山灰と溶岩が冷えてできたもので、その面積は100平方キロメートル以上と推定され、水中にあるものも含まれています。目に見えるものは、高さ100メートル、平均直径1.2メートルです。

この地質学的特徴は、六角形の岩柱の破砕帯で、無数の六角形の柱で覆われた崖を眺めていると、簡単に見逃してしまいます。幸いなことに、トレイルに沿って設置されている案内板で確認をすることができます。断層角礫岩帯は、断層に沿った六角柱が地殻変動の際に砕け散ってできたものです。

トレイルは、S字型の柱が太陽で溶けたように歪んでいる岩壁を通過します。この六角形の岩柱のエリアは、岩柱が完全に固まる前に、地質学的な動きの影響でねじれていました。数年後、高温のマグマが弱くなった岩柱の間を通り抜け、岩柱の上部に広がり、暗い色の岩になって堤防を形成したのです。

トレイルの最後にある木製の歩道を進むと、東壩（East Dam/イーストダム）の下にはちょっと似つかわしくない海蝕洞（Sea Cave）の入り口があります。この場所は、もともと糧船灣（High Island/ハイアイランド）と西貢半島（Sai Kung Peninsul/サイクン半島）の間の断層に沿って走る狭い水路の一部でしたが、貯水池を作るために塞がれました。洞窟は、波が海岸線の柔らかい岩を削っていく中で、ゆっくりと時間をかけて作られたものです。

西貢（Sai Kung/サイクン）は、ウォーターフロントにあるシーフードレストランが多いことで知られており、特に観光客に人気があります。しかし、プロムナードや賑やかな脇道には、オシャレ場なレストランやカフェ、香港スタイルの茶餐廳などがあり、ピザやパスタ、タイカレー、イギリスのフィッシュ＆チップス、トルコのケバブなど、西洋と東洋の人気料理が豊富に揃っています。