香港には島が多く、驚くほど幅広い種類のウォータースポーツが楽しめます。例えば、カイトサーフィンです。いい風が吹く日とビーチを選び、泳いで沖へ向かったら、カイトボードのストラップに足を滑り込ませます。立ち上がるには、まずカイトを揚げ、下半身に体重を掛けたら、もう一度カイトを風に乗せると、動き出します。このスポーツの基本的なスキルは、数日でマスターできますが、波の頂上から空中に舞い上がる高揚感に引きつけられた地元の人々や観光客が、このスポーツに取り組むために、何十年にもわたって香港のビーチに集まっているのです。
「本当にスリルがあります」と語るのは、ボードスポーツ用品店でレッスンも開催している X Gameの創業者、Ken Choiさんです。「エンジンではなく、技術と自然の力だけを使うのです。体力の強さだけでなく、風を使いこなす頭脳も必要です。」1985年に第1号店をオープンしたChoiさんは、主にウォータースポーツ用品の販売とアドバイスをしており、30年以上通っている常連客もいます。
また、ウィンドサーフィンの教室も開催しています。香港での業績が上がったのは、1996年からで、この年には長洲島出身のlee Lai-Shan選手が、オリンピックの女子ボードセーリングで、香港初の（そして唯一の）金メダルを獲得しています。しかしそのずっと前から、ウィンドサーフィンなどのウォータースポーツは、島の生活の一部になっています。Lee選手の叔父にあたるLai Gunさんと妻のIreneさんは、香港におけるウォータースポーツの先駆者で、1975年に長洲滑浪風帆中心（Cheung Chau Windsurfing Centre）を設立しています。
「このセンターは、1970年代にウインドサーファーを呼び寄せた最初の場所の1つです。」とマネージャーのStephanie Chowさんは説明します。Chowさんによれば、そこはそれまで、ビールとめん類を出す地味なお店でした。「今では間違いなく、長洲島のライフスタイルの一部になっています。」
カイトサーフィンに最適な季節は、モンスーンシーズンが始まる秋ですが、長洲のビーチは季節によって風が変わるので、一年中楽しめます。他のスポーツは、それほど季節や風に縛られません。例えば「カヤックやスタンドアップパドルボードは、5年前から人気が出始めました」と、Chowさんは言います。
もちろん、長洲島以外の島にも、ウォータースポーツを楽しめるビーチはたくさんあります。同じく長年の経営者であるAdrienne Ngさんは、1996年に Treasure Island Hong Kong
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Treasure Island Hong Kongではレンタルの他に、サーフィンやカヤック、スタンドアップパドルボードのレッスンも開催しているので、全くの初心者でも水上に出ることができます。「貝澳（Pui O）は私が愛する宝です」と、Ngさんは熱く語ります。「香港はとても狭くて混み合った街ですが、近くにはこんな人けの少ないビーチがあって、水牛も歩いているのです。これほどの大都市で、こんな近くにビーチがあるところは、世界中どこにもありません。」週末のフェリーは、街を抜け出して新しいアクティビティーを習おうとする人々で、いっぱいになります。
亜熱帯の温暖な気候にある香港の島々は、水上スポーツの趣味を極めるにも、何か新しくはじめるにも、理想的な場所です。そこからは、香港の別の顔が見えてきます。「香港がショッピングだけの街だと思ってはいけません」と、Ngさんは言います。「（中環（Central）から）わずか40分のところに、小さな宝物が数え切れないほど隠れているのですから。」
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