島の北東にあるフジツボに覆われた岩の上に、小さな灯台が立っています。ビクトリア・ハーバーの海を離れ、南シナ海の水平線に目を向けると、波が打ち寄せ、岩にぶつかる光景が目に飛びこんできます。狭い佛堂門水路（Fat Tong Mun channel）の向こうには、山やクリアウォーターベイ半島が広がっています。左手には、Joss House Bayにある、歴史的な天后廟 (Tin Hau Temple)があります。1266年に建てられた香港最古・最大の寺院で、海の守護神を祀っています。

東龍洲(Tung Lung Chau)キャンプ場の近く、東海岸を見下ろす丘の上に、長方形の東龍砲台(Tung Lung Fort)がぽつんと建っています。海賊対策として8門の大砲を備え、清朝康熙帝の時代、1662年から1722年の間に建てられました。1810年に放棄され、1世紀以上にわたって荒廃していました。しかし、その厚く高い城壁は、海岸に面したこの場所を襲う無数の台風に耐えてきたのです。インフォメーションセンターでは、考古学的な改修工事で発見された清朝時代の遺物について詳しく説明しています。

東龍洲(Tung Lung Chau)は香港で最も人気のあるロッククライミングの場所であり、北東岸に3つの主要なエリアがあります。ロッククライミングをしない人でも、ヘルメットをかぶった登山家がロープを頼りに崖を登り、下の平らな岩棚からチームメイトを励ます光景を楽しむことができます。この強固な岩壁には、難易度の異なる多くのクライミングルートが設定されています。

最も有名な「テクニカルウォール」は、東龍砲台(Tung Lung Fort)の下にある崖にあります。その南側には、「シーガリー（Sea Gully）」と呼ばれる岩肌が、海の狭い入り江の上にぶら下がっています。さらに、「ビッグウォール」は、海食洞の上にそびえ立つ垂直の崖で、眼下には轟く波が広がり、アドレナリン全開です。島の南端にある南堂尾（Tathong Point）には、このほかにも登れる崖があります。

ほぼ円形の島の端には海岸沿いの道があり、どちらかの桟橋から西に向かって歩くと、南堂頂（Nam Tong Peak）に続く舗装された道に出ます。標高232メートル、東龍洲(Tung Lung Chau)で最も高い場所です。ここからも、途中の見晴らしのいい場所からも、海食崖や島々を一望することができます。南には、香港島の南東端に位置するダギラー（D’Aguilar）岬があり、周辺海域には20ヘクタールの海洋公園があります。さらに沖合には、孤立した灯台がある急勾配の横瀾島（Waglan Island）があります。東龍砲台(Tung Lung Fort)までは、さらに急な坂道が続き、最後は草木が生い茂った道を下ります。

パブリックピア の横の道に描かれた矢印は、南へ歩いてすぐのところにある丘の上の展望台へと導いてくれます。ここから長い階段を下りて水辺に出ると、香港最大、そしておそらく最古の先史時代の岩の彫刻を見ることができます。神秘的な渦巻き模様は、龍を表していると考えられています。東龍（Tung Lung、「東の龍」の意）という名前は、ここから来ているのでしょうか。

九龍のウォーターフロント、鯉魚門（Lei Yue Mun）地区にある三家村（Sam Ka Tsuen）は、高床式住居とシーフードでよく知られています。三家村（Sam Ka Tsuen）埠頭からタイフーンシェルターの反対側へ歩くと、村のメインストリート沿いにレストランがあります。