元朗(Yuen Long)は、香港の有名な維多利亞港(Victoria Harbour)よりも、むしろ中国本土の中心都市で深圳(Shenzhen)までの距離が近いため、旅先の候補に挙がることはないかもしれませんが、この街を忘れるべきではありません。美しい自然の景色や、湿地と野生生物、豊かな歴史遺産、原居民コミュニティ、そして都会の喧騒 - こうしたものを体験してみるためにも、新界北西部の宝とでもいうべきこの地区には、寄り道してみるだけの価値があります。
元朝(1271~1369年)末期から中国系移住者が居住してきた元朗(Yuen Long)は、原居民文化を知りたい人や、家族経営の老舗食堂を求める食通たち、バードウォッチャー、自然保護活動家、自然を愛する家族連れには絶好の場所です。
香港の原居民の魅力的な歴史と文化に興味がある人にも、おすすめのスポットがあります。屏山文物径(Ping Shan Heritage Trail)の道沿いには、祠堂(先祖の霊廟)や寺院、周囲に壁を巡らせた集合住宅、そして香港最古の楼台があります。こうしたものが現在も、初代鄧族移住者の末裔によって維持管理されているのです。昔ながらの食堂や、老舗の茶館、屋台村、活気のある生鮮市場が並ぶその様子は、ノスタルジーそのものです。
都会の喧騒を逃れたいならば、低地に広がる湿地に行ってみましょう。水路が縦横に走り、生き物や草花がそこかしこに見られます。家族連れなら、素晴らしいビジターセンターのある香港湿地公園(Hong Kong Wetland Park)で一日を過ごすのがおすすめです。それに対して、西の端にある下白泥(Ha Pak Nai)は、一方を山々に、他方を后海湾(Deep Bay)のきらめく海に挟まれ、香港で一番の夕日のスポットだという人もいます。スマートフォンのカメラを用意して、レンズを向けたら、シャッターを切りましょう。
屏山文物径(Ping Shan Heritage Trail)を散策。鄧族の歴史的文化を学びましょう。
又新街(Yau San Street)のグルメ通りで、ワンタン麺など地元料理を味わいましょう。
百鳥塔(Aviary Pagoda)の最上階から元朗(Yuen Long)の街を360度見渡せます。
米埔自然保護区(Mai Po Nature Reserve)で、絶滅危惧種のクロツラヘラサギなど野鳥の群れを観察。
下白泥(Ha Pak Nai)に向かい、マングローブの浜辺で夕日をスナップ。香港で一番の撮影スポットです。
麦理浩径(MacLehose Trail)でハイキング。