海岸線からの有名なサンセット以外にも、白泥（Pak Nai）には訪れる価値のあるスポットがあります。日没の数時間前にここに来て、静かな村々を散策してみましょう。鴨仔坑（Ap Tsai Hang）の小川のそばでは、お茶やコーヒーを飲みながら、村の売店でランチョンミートと目玉焼き入りの麺類、フィッシュボール、アイスパイナップルなどの香港風スナックを食べてくつろぐことができます。

稔湾路（Nim Wan Road）を南に向かって20分ほど歩くか、ミニバスで下白泥（Ha Pak Nai）の終点まで数分行くと、清朝末期（1644～1911年）の革命運動と関係のある、1910年頃に広州で起きた中国新軍蜂起の後に建てられた歴史的な2階建ての要塞があります。長方形の灰色のレンガ造りの建物は、現在は記念碑に指定されていますが、失敗した革命家たちが国境を越えて逃亡する際の避難所として建てられた複合施設の一部でした。隣接する家屋は1930年代に取り壊されました。

下白泥（Ha Pak Nai）の干潟から壮大な夕日を眺めるのは、非現実的な体験です。潮がゆっくりと引くと、カキの養殖場が前景に現れ、水面が夕日の鮮やかな色や、日によっては空の雲の模様を映し出します。空が青とオレンジの混合色から鮮やかな赤へと短時間で変化する様を観察すれば、多くの観光客や写真愛好家が夕日を撮影するためにここを訪れるのも納得がいきます。

この地域は生物多様性でも知られています。ここでは、世界的に絶滅の危機に瀕しているクロツラヘラサギをはじめとする渡り鳥や、絶滅危惧種である中国カブトガニや希少なマングローブカブトガニなどの海洋生物に出会えるかもしれません。カブトガニは4億5千万年前から生息しており、恐竜よりもはるか昔から生息していました。干潮時には、この甲殻類が干潟から出てくるのを見ることができます。

濡れた砂の上をヒレで小走りに移動するマダラトビエイにも遭遇することがあるはずです。カエルと同じように、この水陸両用の魚は皮膚呼吸ができます。

下白泥（Ha Pak Nai）の夕日は確かに目を楽しませてくれますが、今度は胃袋のごちそうの時間です！ミニバスですぐの流浮山（Lau Fau Shan）の村では、おいしいシーフードディナーを楽しむことができます。牡蠣の養殖で長い歴史を持つ老舗のグルメスポットです。ここの黄金色の干し牡蠣は珍味として人気があります。地元で人気のレシピのひとつは、牡蠣をフライパンで外はカリカリになるまで炒め、中は柔らかく風味豊かに仕上げるというものです。干物だけでなく、メインストリートには獲れたてのシーフードを提供する店が軒を連ねています。夕方になると、この魅力的な村の通りやレストランは、買い物客や食事客で賑わい、香港の真髄を体験することができます。黄金色に輝く干し牡蠣のほか、塩焼きや蒸し蟹も有名で、鮮魚の生姜蒸し（醤油とネギ添え）、カラスミの黒豆ソース添え、新鮮なロブスターのチーズソース焼き（イーフー・ヌードル添え）といった香港の定番料理も人気です。