1988年、新界(New Territories)の工業地区である葵涌(Kwai Chung)と緑豊かな丘陵地帯である青衣(Tsing Yi)が合併して、葵青区(Kwai Tsing District)となりました。
多くの新界(New Territories)地区と同様、葵涌(Kwai Chung)もかつては農村地域でしたが、第二次世界大戦後に重工業の中心地となりました。1980年代から1990年代に、葵涌(Kwai Chung)を拠点としていた工場の多くが中国本土に移転しましたが、今も葵青(Kwai Tsing)は香港の重要な港湾施設として、世界で最もにぎわうコンテナターミナルです。
物流会社や運送会社が多い一帯ですが、古い工場の広々とした空間が手頃な価格で借りられるメリットを活かして、アーティストやクリエイティブなビジネスの多くがこの地域に移ってきています。この地域のビジネスの発展により、新しいオフィスビルも出来ていますが、無秩序に広がった工業ビルの重厚な鉄製のドアの一室が、イノベーターや起業家たちのオフィスであり、葵涌(Kwai Chung)の新たな特徴となっています。
かつては周辺海域でよく見られた魚の名前にちなんで名付けられたと言われる、ランブラー海峽(Rambler Channel)に面した青衣島(Tsing Yi Island)も、変化を経験しています。大嶼島(Lantau Island)の大澳(Tai O)村と同様、かつては水上家屋が多くありましたが、今では汀九橋(Ting Kau bridge)と青馬大橋(Tsing Ma bridge)が新界(New Territories)と大嶼島(Lantau Island)を結び、青衣島(Tsing Yi Island)は香港の主要な交通インフラの接続ポイントとなっています。埋め立てにより大幅に土地が拡張されており、無機質な地域に緑を添える、標高334メートルの青衣山(Tsing Yi Peak)をはさんで西側は工業地帯、東側は住宅街になっています。
青衣(Tsing Yi)と葵涌(Kwai Chung)を隔てるランブラー海峽(Rambler Channel)沿いの青衣海濱公園(Tsing Yi Promenade)
青嶼幹線観景台(Lantau Link Viewpoint)から見える美しい橋
木工・金工アーティスト、Stanley Leeの慢生活館(Here Workshop)のレッスンに参加
葵青(Kwai Tsing)にオープンしたカフェでコーヒーブレイク