急峻な緑の丘の海岸線に挟まれたタイオ村の中心は、豪華な關帝廟（Kwan Tai Temple）の前の広場です。狭い通りが四方八方に広がり、干し海鮮や自家製エビのすり身など、地元の特産品を売る店が軒を連ねています。屋台では、串に刺さった魚のつみれやお菓子、豆腐のデザートなどが売られ、長蛇の列ができています。昔ながらの会社や家が通りに直接面しており、この地域の魅力的な賑わいに拍車をかけています。伝統的な2階建ての店舗が建ち並ぶエリアもあり、60 Kat Hing Streetにもその一例が見られます。グレード2に指定された1930年代の建物を利用した農協直営のショップでは、カーブしたバルコニーなどの建築的な特徴を堪能することができます。乾燥唐辛子、XOソース（乾燥魚介類とハム、唐辛子、エシャロット、ニンニクの保存食）、ラディッシュ、ジンジャー・ティーなど、地元産の農産物や特産品を見ることもできます。狭い路地、高くなった遊歩道、跳ね橋が運河の上を曲がりくねりながら進み、高床式の家々の間を縫って、インスタ映えする景色がいたるところで目に飛び込んできます。

大澳（Tai O）の特徴のひとつは、自動車の乗り入れが禁止されていることです。小川に架かる歩道橋の上に立ち、水上交通を眺めながら、この村の魅力と美しさを満喫しましょう。歩行者や 自転車が行き交う中、橋の下をボートが通り過ぎていきます。橋のそばの船着き場や小川沿いのいくつかのポイントから、村のツアーに参加するための小さなボートが待っています。小川の桟橋や高床式住居の間をすり抜け、ボートは1600年代に香港の海域で初めて記録された、実際はピンク色をしたシナウスイロイルカを見るために岸近くの海域に向かいます。

夕方には、近くの丘に挟まれ、小舟と防波堤の横顔が点在する水面に沈む黄金色の夕日を見に、また戻ってきましょう。お祭りの日には、橋はランタンで飾られ、夜は映画のようなシーンへと変貌します。

バスターミナル近くのウォーターフロントには、木造の屋根が何重にも重なったパビリオンで知られる大澳（Tai O）フェリー乗り場があります。ここは大澳（Tai O）プロムナードの起点でもあり、メイン・クリークから海沿いに伸びていて、広大なマングローブ林に接しています。この熱帯植物は塩分を含んだ水中で生育し、魚やムツゴロウ、シオマネキなど多くの生物の重要な生育地となっています。マングローブは、数十年前に使用されなくなった大澳（Tai O）の古い塩田に植えられました。

遊歩道が村に隣接している場所の近くには、大澳（Tai O）農村委員会歴史文化ショールームがあり、歴史的な写真やこの地域で発見された工芸品の魅力的な展示を見ることができます。

村の広場から西に進み、青空市場を通り過ぎると、歴史あるホテルへの道があります。この海岸沿いの小道を歩くと、高床式住居、花咲く庭、散歩する猫、廃墟となった石造りのコテージ、バナナ畑、大地の神の祠など、見るべきものがたくさんあります。道は村の古い桟橋で終わり、その真上の丘の上に大澳文物酒店（Tai O Heritage Hotel）が建っています。この建物はもともと大澳（Tai O）の海洋警察署で、1902年に当時大嶼山（Lantau Island/ランタオ島）を襲撃していた海賊に対抗するために建てられました。繊細な修復が施され、現在は9室の客室を備えたブティックホテルとなっています。1階にあるガラス屋根のレストラン「Tai O Lookout（タイオー・ルックアウト）」では、名物のタイオー・チャーハンやエビペーストでマリネした自家製ポークチョップ・バンなど、いくつかの料理にエビペーストを使うことで、地元の伝統に敬意を表しています。

ホテルからの帰り道、少林武術センター（Shaolin Martial Arts Centre）の前の中庭に入りましょう。虎山観景台（Fu Shan Viewing Point）への標識が出てきます。この丘からは、タ大澳（Tai O）だけでなく、珠江河口の波打つ広い海もよく見渡すことができます。港珠澳大橋（Hong Kong Zhuhai-Macao Bridge）がカーブを描いて海峡を横切り、水平線には河口の対岸にある2つの都市の高層タワーが見えます。白灰色の岩が点在する緑の丘の上に立つパビリオンには、海を指し示す双眼鏡がある。さらに進むと、木製のプラットフォームがあり、眼下に広がる海を見渡すことができます。

この石畳のトレイルもまた、大澳（Tai O）の夕日を写真に収めようとするインスタグラマーに人気のスポットで、特徴的な赤い手すりと木々に覆われた斜面の横顔が前景に広がっています。