高層ビルが立ち並ぶ大都市、香港。コンクリートジャングルというイメージが強いですが、実は山や森林に覆われた緑豊かな国という別の顔も持っています。実際、香港の国土の4分の3は自然が豊かな地域です。公共交通機関が発達している香港では、素晴らしい大自然に簡単にアクセスできます。今回は、家族やカップルでのお出かけにおすすめの初心者向けハイキングコース10選をご紹介します。
新界東部(New Territories East)
新界西部(New Territories West)
香港島
その他の役立つ情報
八仙嶺郊野公園(Pat Sin Leng Country Park)にある人気のハイキングトレイル。木々が生い茂る蝶の楽園、鳳園蝴蝶保育区(Fung Yuen Butterfly Reserve) を通り、トンボの希少種が生息する沙羅洞(Sha Lo Tung)を経て、コースの終点、流水響水塘(Lau Shui Heung Reservoir)へ向かいます。頭上に広がる真っ青な空と緑豊かな風景を水面に映し出すこの貯水池は、その景観の美しさから「天空の鏡」としても知られています。
難易度:中級 | 距離:約7km | 所要時間:約3時間
ルート:鳳園蝴蝶保育区(Fung Yuen Butterfly Reserve)→ 沙羅洞(Sha Lo Tung)→ 鶴藪水塘(Hok Tau Reservoir)→ 流水響水塘(Lau Shui Heung Reservoir)
交通アクセス:MTR大埔墟(Tai Po Market)駅のA出口を出て20P番のミニバスに乗車し、鳳園村(Fung Yuen Tsuen)停留所で下車します。
新娘潭自然教育径(Bride’s Pool Nature Trail)は、家族でのお出かけにぴったりのハイキングコースです。このコースでは、新娘潭(Bride’s Pool)と照鏡潭(Mirror Pool)という美しい2つの滝を巡ります。烏蛟騰(Wu Kau Tang)と涌尾(Chung Mei)の村をつなぐ石造の橋と、勢いよく流れ落ちる壮大な照鏡潭の滝では、記念撮影を忘れずに。
龍蝦湾郊遊径(Lung Ha Wan Country Trail)のスタート地点は、龍蝦湾石刻(Lung Ha Wan Rock Carving)。岩肌に、動物や鳥の形に見える謎の彫刻が彫られており、歴史的記念碑に指定されています。この石刻は、今からおよそ3千年以上も前に彫られたものと考えられています。トレイルは次の目的地点である大嶺峒(Tai Leng Tung)へ。時間を調整すれば、釣魚翁(High Junk Peak)の向こうに沈む夕陽の絶景を見ることができるかもしれません。コースの終点は、大坑墩風箏場(Tai Hang Tun Kite Flying Area)です。ここは夜になると暗闇に包まれ、絶好の星空鑑賞スポットになります。
西貢(Sai Kung)から屯門(Tuen Mun)まで全長100kmにおよぶマクリホース・トレイル(MacLehose Trail)は、香港で最初にできた長距離ハイキングトレイル。その一端を占めるのが萬宜地質步道(High Island Geo Trail)です。標尖角(Biu Tsim Kok)の頂上へ向かって続くこのトレイルを進むと、標尖角ビューイング・ポイントに到着。眼下には白砂のビーチで知られる浪茄湾(Long Ke Wan)のパノラミックな眺望が広がります。萬宜地質步道では、火山活動によってできた六角形の岩柱が立ち並ぶ断崖絶壁や、海蝕洞(Sea Cave)、何百年もかけて形成された海蝕柱(Sea Stack)など、大自然の造形美を楽しむことができます。マクリホース・トレイルのセクション 1, 2, 4 は、少し難易度が高いと感じるかもしれませんが、海岸線沿いに広がる壮大な景観を眺めることができます。
城門水塘(Shing Mun Reservoir)のハイキングコースは、歩きやすいうえ、自然の絶景を満喫できるので、家族でのお出かけに人気のコースです。香港の歴史に興味のある方は、第二次世界大戦に建設された城門戰地遺跡径(Shing Mun War Relics Trail)へ続くルートへ。貯水池沿いのルートを進めば、絵のように美しいカユプテ(白千層)の木のオアシス、白千層步道(Paperbark Tree Corridor)に出ます。鳥のさえずりや緑豊かな自然に囲まれていると、ゆったりと穏やかな時間が流れてゆきます
標高957メートルの大帽山(Tai Mo Shan)は、香港の最高峰。ここは絶好の夕焼けスポットで、運が良ければ雲海を眼下に眺めることができます。四季折々の色彩に染まる大帽山。春と夏は桜の花と野生ユリが咲き乱れ、秋と冬はススキが山肌を黄金に染め上げます。現在、大帽山の頂上は一般の立ち入りが制限されていますが、キャンプスペースや夕焼けスポットが他にもたくさんあります。
秋が深まると、紅葉で真っ赤に染まった楓香林(Sweet Gum Woods)をお目当てに、人々が大欖郊野公園(Tai Lam Country Park)を訪れます。かつて近隣の集落を結んでいた山あいの道は、今では観光ルートとなり、大欖郊野公園の入口である大棠(Tai Tong)と、千島湖の絶景が眼下に広がる千島湖清景台(Reservoir Islands Viewpoint)を結んでいます。何十もの小さな「島々」が浮かぶこの湖は、実は人工の貯水池。もともと丘陵地帯だったところに水を引き建造されたため、このような景観が生まれました。
鳳凰山(Lantau Peak)の山麓に広がる昂坪(Ngong Ping)高原は、 宝蓮禅寺(Po Lin Monastery)をはじめ、天壇大仏(Tian Tan Buddha)や心経簡林(Wisdom Path)などの仏教建造物・名所が集まる風光明媚なエリア。石壁水塘(Shek Pik Reservoir)のハイキングコースを進んでいくと、途中に円形や四角形の渦巻き模様が彫られた石壁石刻を見つけることができます。これらはおよそ3千年前のものといわれています。香港国際空港、港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)など、目の前に広がる香港の街並みのドラマチックな眺望も、このコースの魅力のひとつです。
『ロンリープラネット』で香港のベストハイキングエリアに選ばれたドラゴンズバック(Dragon's Back)。曲がりくねる山の尾根が龍の背骨に似ていることからそう名付けられました。海に向かって急勾配を描くトレイルを下っていくと、目の前に真っ青な海と近隣の島々の美しい眺望が現れます。このトレイルの終点は、大浪湾ビーチ(Big Wave Bay Beach)。夏はここで日光浴を楽しみ、ほてった身体を海水浴で冷やしましょう。
薄扶林郊野公園(Pok Fu Lam Country Park)からスタートし、薄扶林水塘(Pok Fu Lam Reservoir)を通り抜ける、緩やかで歩きやすいハイキングコースです。歩き出して間もなくすると、歴史の香り漂う街並みと近代的な建築が共存するエリア、ピーク(The Peak)に到着します。その後、盧吉道(Lugard Road)の緑豊かな周遊コースを歩き、高層ビル群が立ち並ぶ香港の近代的な街並みを見渡せる展望スポットへ。そこから西高山(High West)へ登ると、香港有数の夕焼けスポットに辿りつきます。
ハイキングに出かけるときは、何よりも準備が大切。コースの難易度にかかわらず、十分な備えを心がけましょう。そして「ハイキングのマナー5か条」(その1:1人でハイキングに出かけない、その2:コースを外れない、その3:ゴミのポイ捨てをしない、その4:自然環境を壊さない、その5:無作為に火をつけない)を忘れずに。その他の基礎知識はこちらをご覧ください。
緊急の際は112番または999番に電話するか、最寄りの緊急通報用電話を使用してください。オペレーターに最寄りの距離標番号を知らせてください(例:M001)。
登りごたえのある山にチャレンジしてみたい方には、次のコースがおすすめです: